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SDRとBDRの違いと、自社に必要な体制を判定する5つの軸

SDRは反響型、BDRは開拓型です。違いはターゲット選定の主体・ターゲット決定の時点・KPI・必要スキルにあります。本記事では、自社が「SDR先行/BDR先行/併用/分業しない」のどれに該当するかを判定する5軸と、体制別の実装方法を解説します。

読了時間:約14分
営業組織
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NSJAPAN編集部

株式会社NSJAPAN メディア編集部

株式会社NSJAPANのメディア編集部です。一次情報と公式情報を優先し、スタートアップ・成長企業の経営者や事業責任者が判断と行動に使える記事を制作します。

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SDRとBDRの違いと、自社に必要な体制を判定する5つの軸

SDR(Sales Development Representative)は、問い合わせ・資料請求・セミナー参加など「自社に来た需要」に反応して商談化する役割です。BDR(Business Development Representative)は、自社が狙うべき企業を先に決め、こちらから接触して需要そのものを作りに行く役割です。両者の違いは電話かメールかというチャネルの差ではなく、ターゲットを選ぶ主体が「相手側」か「自社側」かという一点にあります。リストの出所が違えば、必要なスキルも評価指標も変わります。

ただし経営者・事業責任者にとって本当に必要なのは、定義の暗記ではなく「自社はどちらを先に置くべきか」の判断です。判断軸は3つ。①リード流入量がすでに営業のキャパシティを超えているか、②狙う顧客を企業名レベルで事前に特定できるか、③商談単価と決裁者の階層。この3点で「SDR先行」「BDR先行」「併用」「まだ分業しない」の4通りに分かれます。本記事は、この判断を自社で下せる状態まで持っていくことをゴールにしています。なお、役割名の使われ方は企業によって差があり、BDRを「新規事業開発」の意味で用いる例もあるため、社内定義の確認が先になる場合があります。

この記事でわかること

  • SDRとBDRの違いは手法ではなく「ターゲットを誰が決めるか」にあること
  • 定義・起点・KPI・必要スキルを並べた比較の要点
  • 自社が「SDR先行/BDR先行/併用/まだ分業しない」のどれに当たるかを判定する5つの軸と、その測り方
  • 体制別のKPI設計例と、分業時に必ず決めるべき引き継ぎ・差し戻しルール
  • 分業が機能しなくなる典型的な構造要因と、その回避条件

SDRとBDRの違いは「誰がターゲットを決めるか」にある

SDRは反響型、BDRは開拓型です。両者を分けるのは使うチャネルではなく、アプローチ先のリストが「相手の行動によって生まれる」のか「自社の意思で選ぶ」のかという点にあります。ここを取り違えると、BDRを単なる架電担当として運用してしまい、分業の意味が失われます。

SDRが向き合うのは、すでに何らかの形で自社に関心を示した相手です。資料請求や問い合わせをした時点で相手側に検討の動機があるため、SDRの勝負どころは反応の速さと、関心の中身を正確に読み取って商談に接続する精度になります。誰にアプローチするかは相手の行動が先に決めており、自社の選択余地は限定的です。

一方でBDRは、まだ自社を知らない企業に対して接触します。誰にアプローチするかを自社で決める以上、業種・企業規模・エリア・部署・想定課題を定義したターゲットリストの設計そのものが業務の中核になります。新規開拓のリスト作成では、業種や売上高、エリアといった客観的な条件で母集団を絞り込むことが確度を高める基本とされています。相手に検討の動機がない状態から始まるため、仮説を持った切り口の提示と、決裁階層に沿った複数接点の設計が求められます。この構造の違いが、そのままKPIとスキルの違いに反映されます。

比較表|定義・ターゲット・起点・主要KPI・必要スキル

実務で混乱が起きやすいのは、役割名だけを導入してリストの出所や評価指標の議論を飛ばした場合です。次の表は、社内で定義を揃えるときの叩き台として使える整理です。なお、KPI欄は一般的な運用例をもとに編集部が整理したものであり、商材・商談サイクル・市場によって適切な指標は変わります。

観点 SDR BDR
役割の性質 反響型(来た需要に反応する) 開拓型(需要を作りに行く)
ターゲットの決め方 相手の行動(問い合わせ・資料請求)が起点 自社がターゲット企業を選定してリスト化
主な対象 マーケティング施策で獲得したリード全般 戦略的に狙う特定企業・アカウント
接触の難易度 相手に検討動機がある前提 認知ゼロから関係を作る
主要KPIの例 初動応答速度、リード対応率、商談化率 ターゲットアカウント接触率、有効商談数
必要スキル ヒアリング精度、優先度判断、スピード 仮説構築、リスト設計、決裁者への切り口づくり
成果が出るまでの期間 比較的短い傾向 中長期になりやすい傾向

この表で押さえるべきは、右列と左列で「時間軸」が違う点です。SDRは当月の商談数に直結しやすいのに対し、BDRはリスト設計と接触の蓄積を経て成果が出ます。同じ評価サイクルで両者を管理すると、BDRが不利になりやすく、短期の数字を取りに走ってアプローチが粗くなる場合があります。

「アウトバウンド=テレアポ」ではない理由

BDRとテレアポの違いは、電話を使うかどうかではありません。決定的に違うのは、リストの選定根拠と評価指標です。テレアポは母数を確保して確率で当てにいく発想が中心になりやすく、リストの条件は「連絡先が取れること」に寄ります。BDRは自社が獲得すべき顧客像から逆算してリストを絞り、なぜその企業なのかを説明できる状態でアプローチします。

この違いは評価設計に直結します。架電数や送信数だけをKPIに置いた場合、担当者は最も接触しやすい相手から順に当たるようになり、ターゲット設計が形骸化しやすくなります。結果として組織はテレアポ部隊に近づき、蓄積されるはずだったターゲット仮説や失注理由が残りません。BDRを置くなら、量の指標と同時に「狙った企業群に対してどれだけ接触できたか」を測る必要があります。

判断ポイント

SDRとBDRを分けているのは、リストの出所・評価指標・次工程への渡し方の3点です。この3つが同じなら、名称だけを変えても運用は変わりません。

インサイドセールス/フィールドセールスとの関係

SDRとBDRは、いずれもインサイドセールスの内部区分です。マーケティングがリードを創出し、インサイドセールスが商談を作り、フィールドセールスが受注を担い、カスタマーサクセスが継続利用を支えるという分業モデル(The Model)において、SDR・BDRは商談創出の工程を「反響対応」と「新規開拓」に分けたものと理解すると位置づけが明確になります。The Modelはもともと米国のSaaS企業を中心に広まった型で、日本のBtoB企業にも導入が進みましたが、商材や購買プロセスに合わせたカスタマイズを前提とする考え方が一般的です。

ここで注意したいのは、分業は連携を前提として初めて成立するという点です。各工程の成果が次工程の入力になる構造上、どこか一つが自部門のKPIだけを最適化すると全体の商談化率や受注率が落ちます。役割を分けるという判断は、同時に「工程間の受け渡しを定義する」という作業を伴います。

そもそも自社は分業すべきか|5軸の自社診断

分業は目的ではなく手段です。意味を持つのは、需要の処理量が1人のキャパシティを超えたときからです。判断は人数規模ではなく「リード処理に要する工数」と「ターゲットを事前特定できるか」で行います。流入が細い段階で分業すると、SDRは手持ち無沙汰になり、BDRは孤立して疲弊します。

無計画な体制変更が現場の混乱を招き、かえって生産性を下げるという指摘は、インサイドセールスの立ち上げ支援の現場で繰り返し語られてきた論点です。分業を検討する前に、自社の現状を数字で押さえておく必要があります。以下は、体制判断に必要な最小限の測定項目です。

  • 直近3か月の月間有効リード数と、その対応に費やした実工数(1件あたりの平均対応時間×件数)
  • ターゲット企業を業種・売上規模・エリア・部署のレベルでリスト化できるか(何社分作れるか)
  • 平均商談単価と、意思決定に関与する役職の階層数
  • 直近1年の受注のうち、紹介・交流会・既存人脈由来が占める割合
  • 営業に関与できる人員数と、兼務可能な余力時間

5つの軸をどう測るか

測定は「感覚で答えられる質問」にしないことが重要です。次の粒度まで落とすと、判定が担当者の主観に左右されにくくなります。

  • リード処理工数:直近3か月分をSFA/CRMまたは日報から集計。1件の初回対応・追客・記録にかかる平均時間を実測し、月間件数を掛けて算出する
  • ターゲット特定性:業種・売上規模・エリア・部署の4条件でリストを試作し、何社まで積み上がるかを数える。数十社で止まるのか、数百社になるのかで打ち手が変わる
  • 単価と決裁階層:直近の受注案件で、契約に関与した役職を洗い出す。関与者が複数階層にまたがるほど、接点を複数持つ設計が必要になる
  • 属人チャネル比率:直近1年の受注金額を「紹介・交流会・人脈」と「それ以外」に分け、比率と月次の変動幅を見る
  • 投下可能工数:営業に関与できる人員それぞれについて、既存業務を除いた実質稼働時間を週単位で見積もる

この5項目を測ると、多くの企業は「リードは処理しきれる量しかないが、狙いたい企業は明確に挙げられる」あるいは「リードは来るが対応が追いつかない」のどちらかに寄ります。前者はBDRの適性が高く、後者はSDRの適性が高い状態です。どちらも該当しない場合、まだ分業のタイミングではない可能性を先に疑うべきだと編集部では考えています。

「まだ分業しない」が最適解になる会社の特徴

営業に関与できる人員が実質1〜2名で、月間の有効リードも営業のキャパシティ内に収まっている段階では、1人が反響対応と開拓を兼務したほうが成果は出やすくなります。理由は、この段階の最重要課題が「どの顧客に、どの切り口が刺さるか」という仮説の獲得だからです。工程を分けると、接触から受注までの情報が分断され、仮説検証の速度が落ちます。

ターゲット企業が数十社に限定される超ニッチ市場も同様です。この場合、リストを分業で回す意味は薄く、事業責任者や役員が直接関係を作るほうが速く、精度も高くなる場合があります。またパートナー・代理店販売が主軸の事業では、SDR/BDRよりもパートナー支援機能の整備が優先されることがあります。受注が非対面で完結するセルフサーブ型のモデルでは、SDR機能をマーケティングやカスタマーサクセスが吸収する構成も選択肢になります。

注意点

「他社が分業しているから」を根拠に体制を決めると、必要な需要量がないまま人員コストだけが増えます。分業の判断材料は自社のリード処理工数であり、業界の潮流ではありません。

紹介・交流会依存から抜け出せない会社が最初に見るべき数字

紹介や交流会で売上を作ってきた企業が新規開拓の体制を考えるとき、最初に見るべきは受注に占める属人チャネルの比率と、その変動幅です。比率が高いほど、売上は個人の人脈と稼働に連動し、計画が立てにくくなります。この状態で必要なのは役割名の導入ではなく、狙う顧客を自社で定義し、接触からの反応を記録して再現できる形にするという設計作業です。

属人チャネル依存の企業がBDR型の開拓に踏み出す進め方は、紹介と交流会だけで売上を作ってきた会社が60日でアウトバウンドを仕組みに変えた支援事例で公開しています。着手順や体制の作り方を検討する際の参考にしてください。

判定結果から体制を決める|4つの分岐

前章の5項目を測ったら、次の4分岐で体制を確定させます。リードが処理しきれないほどあるならSDR先行、狙う企業を自社で特定できて単価が高いならBDR先行、両条件を満たし管理者を別に置けるなら併用、いずれも満たさないなら分業しないという判断です。

判断の順序が重要です。先に「SDRとBDRのどちらを採用するか」を考えると、結論が求人市場の状況に引きずられます。次の順で進めれば、分岐はほぼ自動的に決まります。

  1. 需要の入口を測る(月間の有効リード数と、その処理工数が営業キャパシティを超えているか)
  2. ターゲットの特定可能性を確認する(業種・規模・エリア・部署でリストが引けるか、何社積み上がるか)
  3. 単価と決裁階層から、必要な接点数を見積もる
  4. 属人チャネル比率を確認し、新規流入の型づくりを優先すべきかを判断する
  5. 4分岐のいずれかに体制を確定し、最初の1人の職務要件・KPI・引き継ぎ基準を同時に決める
体制 該当する条件 最初に置く1人の役割要件
SDR先行 有効リードが営業キャパを超過。流入経路が安定している 反応速度と優先度判断。商談化基準を言語化できる人材
BDR先行 リードは不足。狙う企業を特定でき、単価が高く決裁階層が深い ターゲット定義とリスト設計。仮説を立てて切り口を作れる人材
併用 上記2条件を同時に満たし、両者を統括する管理者を別に置ける それぞれ専任。兼務させない
分業しない 流入量・ターゲット特定性のいずれも不足、または営業実働が1〜2名 兼務で仮説獲得を優先。3か月後に再判定

併用を選ぶ場合に多い失敗が、SDRとBDRを同一人物に兼務させることです。インバウンド対応は常に緊急度が高いため、兼務させると開拓業務が後回しになり、BDRの活動が構造的に消滅しやすくなります。併用は「専任を2人以上置けること」を前提条件と考えたほうが安全です。

なお、SDR先行と判定される企業でも、リードが十分にあるのに受注が伸びない場合は、商談化以降の設計に原因があることがあります。その論点はリードは足りているのに受注が増えない営業組織の支援事例で扱っています。

体制を見直すタイミングと判断シグナル

この判定はあくまで現時点の結論です。事業フェーズやリード流入が変われば分岐も変わるため、体制を決めた時点で3か月後の見直し時期を先に設定しておきます。再判定のシグナルは次のとおりです。

  • 有効リードの月間件数が、直近の平均から継続的に増減している
  • リード対応工数が担当者の稼働可能時間を恒常的に超えている、または大きく余っている
  • 有効商談数が2か月以上連続で計画から乖離している
  • 属人チャネル比率が想定より下がらない、または再び上昇している
  • ターゲットリストの残数が減り、新たなセグメント定義が必要になっている

体制別のKPI設計と、分業を機能させる引き継ぎルール

役割を分けたら、KPIと「渡す基準・戻す基準」を必ず同時に定義します。ここが空白のまま分業すると、リードの質をめぐる責任の押し付けが工程間で発生します。KPIはKGI(最終目標)から逆算し、担当者が自らコントロールできる指標で構成することが原則です。

KPI設計は、最終目標から中間指標へと分解する順序で進めます。この逆算を経ずに「まず架電数を置く」と決めてしまうと、活動量は積み上がるのに商談も受注も増えないという状態が生まれます。訪問や架電を100件こなしても、商談化がゼロなら指標として機能していません。

  1. 売上目標(KGI)を確定し、平均単価・成約率・商談化率から必要商談数を算出する
  2. 必要商談数から必要アポ数、必要接触数へと分解する
  3. SDR/BDRそれぞれの主要指標と補助指標を、担当者が動かせる範囲で決める
  4. 商談として次工程へ渡す条件(有効商談の定義)を先に文書化する
  5. 週次で進捗を可視化し、四半期ごとに指標の妥当性を見直す

SDRのKPI例と、置いてはいけない指標

SDRの成果は、来たリードをどれだけ取りこぼさずに商談へ接続できたかで測ります。したがって中心に置くべきは、初動応答までの時間、対応率(未対応リードを残していないか)、そして商談化率です。応答速度は担当者が自力でコントロールできるため指標として機能しやすい一方、受注確率への影響度は商材や検討期間によって変わるため、自社データで確認したうえで重みづけしてください。

逆に置くべきでないのは、リード獲得数そのものです。これはマーケティング側の責任範囲であり、SDRがコントロールできません。自分で動かせない指標を評価に含めると、部門間の責任転嫁を制度として誘発することになります。

BDRのKPI例と、テレアポ化を防ぐ評価設計

BDRは成果が出るまでの期間が長いため、結果指標だけでは月次のマネジメントが成立しません。そこで、ターゲットアカウントへの接触率(設計したリストのうち何社に到達できたか)、決裁者接点の獲得数、有効商談数を組み合わせます。「有効商談」の定義を先に決めておくことが前提で、これがないとBDRの成果は測れません。

テレアポ化を防ぐ鍵は、量の指標を単独で使わないことです。架電数を管理指標に含めるなら、必ず「ターゲットリストに含まれる企業への架電」に限定し、リスト外への接触は成果として数えない設計にします。立ち上げ直後の3か月程度は、有効商談の定義づくりやターゲット仮説の検証自体をKPIに据える運用も現実的だと編集部では考えています。商談サイクルが長い高単価商材では、結果指標の妥当性を四半期単位でしか判断できない場合があります。

引き継ぎ定義|渡す基準・戻す基準・SLA

分業の成否は、工程間の受け渡しルールで決まります。役割と責任の曖昧さは部門間の摩擦を生み、KPIが部分最適に陥る典型的な原因になります。分業を始める前に、少なくとも次の項目を文書化してください。

  1. 次工程へ渡す条件を定義する(予算・課題・決裁関与・導入時期のうち、どこまで確認できていれば商談として渡すか)
  2. 受け渡し後のSLAを決める(渡されたリードに何営業日以内に接触するか、初回商談をいつまでに設定するか)
  3. 差し戻しの基準を決める(条件を満たさない場合に戻せる要件と、その判断者)
  4. 差し戻し後の再アプローチ責任者と、再接触までの期間を決める
  5. これらをSFA/CRMの入力項目に落とし込み、記録が残る状態にする

差し戻しルールを軽視すると、条件を満たさないリードが工程の間に滞留し、誰も追わない案件が積み上がります。戻す基準は、渡す基準とセットで定義して初めて機能します。

記録と可視化|最低限そろえる項目

KPIは記録されたデータの上にしか成り立ちません。ただし入力項目を増やしすぎると入力負荷でデータの質が落ちるため、必要最小限に絞ることが前提です。点検すべきは次の項目です。

  • リードの獲得経路(インバウンド/ターゲットリスト由来の区別がつくか)
  • 初回接触日時と、リード発生からの経過時間
  • 商談として渡した日時と、渡す基準を満たした根拠
  • 差し戻しの有無と、その理由
  • 失注理由と、次回アプローチの可否・時期
  • 入力がスマートフォンでも完了できる粒度になっているか

分業がうまくいかない会社に共通する構造要因

分業の失敗は、担当者のスキル不足ではなく設計の問題として起きるケースが大半だと編集部では整理しています。以下の4点はいずれも導入前に潰せる論点であり、該当する場合は増員ではなく設計に戻って修正すべきです。

  • 需要量が足りないのに分業した:リードが少ない状態でSDRを置けば稼働は埋まらず、BDRは単独でリスト作成から接触まで抱えて疲弊します
  • KPIが活動量だけになっている:架電数・送信数のみを評価にすると、接触しやすい相手から当たる運用に傾き、テレアポ化と離職を招きます
  • 引き継ぎ定義と差し戻しルールがない:リードの質を巡ってマーケティングと営業が対立する構図は、責任範囲が定義されていないことの結果として生じます
  • 名称だけ変えて実務が変わっていない:組織図の変更を施策と取り違えた状態です。リストの出所・評価指標・受け渡し基準の3点が実際に変わっているかを点検してください

加えて、分業体制では各担当が自分のKPIだけに集中しやすく、顧客情報が工程ごとに分断されるという構造的な弱点があります。定期的に全体のプロセスを見直し、共通目標とマネジメント体制を再確認する場を設けておくと、部分最適への傾きを早期に検知できます。

注意点

部門間の摩擦を「コミュニケーション不足」として処理すると、根本原因である責任範囲の未定義が温存されます。摩擦が起きたら、まず渡す基準と戻す基準が文書化されているかを確認してください。

内製と外部支援の判断|自社に何が残るかで決める

内製か外部委託かの判断基準は、費用の多寡ではなく「ターゲット定義・トークスクリプト・失注理由が自社に蓄積されるか」です。実行だけを外に出して設計とナレッジが残らない契約は、契約終了と同時に開拓能力が元の状態に戻ります。

外部支援を検討する際は、契約前に次の点を確認しておくと判断がぶれにくくなります。

  • 報酬モデル(成果報酬型/固定報酬型)が、自社の成約単価と受注率に照らして成立するか
  • アプローチに使うリストを誰が用意するのか、その鮮度と属性の細かさは確認できるか
  • 同業種・類似商材での支援実績があり、商習慣や用語を理解しているか
  • 支援期間中の反応データ、トークの改善履歴、失注理由が自社に引き渡される契約になっているか
  • 支援終了後に、社内の誰がその型を運用するかが決まっているか

立ち上げ期については、ターゲット定義やトーク設計といった「型を作る部分」に外部の知見を入れ、実行と記録を内製で担う配分が現実的だと編集部では考えています。実行を外に出すほど短期の接触量は確保できますが、なぜその企業に、どの切り口が効いたのかという判断材料が社内に残りにくくなるためです。営業専任がいない状態からの立ち上げ方は新規事業をゼロから立ち上げた支援事例で、その他の進め方は支援事例の一覧で確認できます。

よくある質問

SDRとBDR、先に置くならどちらですか

有効リードの処理が営業のキャパシティを超えているならSDR、リードは不足しているが狙う企業を自社で特定できるならBDRです。両方に当てはまる場合は併用ですが、専任を2名以上置けることが条件になります。どちらにも当てはまらない場合は、まだ分業せず兼務で仮説を集める段階だと考えてください。

何人規模からSDRとBDRを分けるべきですか

人数ではなく、リード処理に要する工数が1人のキャパシティを超えたかで判断します。営業人員が少なくても月間の有効リードが多く対応が追いつかないなら分業の意味がありますし、逆に人員がいても流入が細ければ兼務のほうが仮説検証は速く進みます。目安として、直近3か月の平均リード対応工数を実測してから判断することを推奨します。

BDRとテレアポは何が違うのですか

ターゲットの選定根拠と評価指標が違います。BDRは獲得すべき顧客像から逆算してリストを絞り、なぜその企業なのかを説明できる状態でアプローチします。一方、架電数だけをKPIに置くと接触しやすい相手から順に当たる運用になり、実質的にテレアポと変わらなくなります。量の指標を使うなら、ターゲットリスト内への接触に限定してください。

SDRとBDRのKPIには何を置けばよいですか

SDRは初動応答速度、リード対応率、商談化率が基本です。BDRはターゲットアカウント接触率、決裁者接点獲得数、有効商談数を組み合わせます。いずれも売上目標から必要商談数・必要接触数へ逆算して設定し、担当者が自分でコントロールできる指標に限定することが原則です。リード獲得数のようにマーケティング側の責任範囲にある指標をSDRの評価に含めると、責任転嫁を制度化することになります。

引き継ぎ基準は誰が決め、どこまで細かくすべきですか

渡す側と受け取る側の責任者が合意したうえで、営業全体を統括する立場が最終決定するのが基本です。細かさの目安は「予算・課題・決裁関与・導入時期のどこまで確認できていれば商談として渡すか」を文章で言い切れる水準で、これに加えて接触までのSLA、差し戻しの要件と判断者、差し戻し後の再アプローチ責任者まで決めれば運用できます。記録項目はKPI管理に必要な範囲に絞り、入力負荷でデータの質が落ちないようにしてください。

内製と外部委託はどちらがよいですか

支援終了後にターゲット定義、トークスクリプト、失注理由が自社に残る形かどうかで判断します。残らない契約は、終了時点で開拓能力が元に戻ります。立ち上げ期は設計に外部の知見を入れ、実行と記録は内製に寄せる配分が現実的です。委託先を選ぶ際は、報酬モデルの適合性、リストの出所と品質、同業種での実績を確認してください。

まとめ

SDRとBDRの違いを理解することはスタート地点であり、経営判断としての本題は「自社がどちらの体制を先に置くか」を根拠を持って決めることです。ここでは、記事の結論と明日から取れる行動を整理します。

SDRとBDRの違いは、ターゲットを相手が決めるか自社が決めるかにあります。この一点を理解すれば社内の用語のズレは解消しますが、そこから先が判断の本番です。自社が「待つ市場」にいるのか「取りに行く市場」にいるのかを、リード処理工数・ターゲット特定可能性・単価と決裁階層の3軸で見極めてください。

次に取るべき行動は明確です。まず直近3か月の有効リード数と対応工数、ターゲットリストの作成可能社数、属人チャネル依存比率を実測します。その結果を4分岐に当てはめて体制を決め、最初の1人の職務要件とKPI、そして引き継ぎ基準と差し戻し基準を同時に文書化します。最後に3か月後の再判定時期を先に決めておけば、体制の判断が感覚に戻ることを防げます。分業は需要量が1人のキャパを超えたときに初めて意味を持つ手段であり、立ち上げ初期は「分業しない」が正解になることも珍しくありません。

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